こうなると「どうしたのだ」と理由を聞きます。彼は「寮の食べ物の近くにあったから、寮の菓子だと思って」と言いました。次に「彼に弁償します。謝らせてください」と言ってきました。今までの指導がF君に通じた瞬間でした。こうなると私は「よく素直に言ってくれた。ありがとう」とお返しをし、「今の感情を大切にしなさい。後は私から彼に言っておく」とし、この件を丸く収めたのです。私の「ありがとう」にもF君は心を打たれていましたが、一人の教育者として彼の成長がなによりも嬉しい。こうして、感謝感激の教育を続け、最後に行なうウソヘの直接指導の日は近いでしょう。「ありがとう」と「申し訳ない」が心から言える子はどれくらいいるでしょうか。個々が持っている才能を伸ばすことも大事ですが、その前に人間として当たり前のことを素直にできる人間を育てることも大事なのではないでしょうか。
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